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血のように。


蕾が開きかけている。
綺麗で可愛い、真っ赤な蕾。
されどその花は、毒花だった。
育てるべきか、摘み取るべきか、憂いを滲ませ悩んでいる。
小さな小さなその蕾に、紛う事無き命を感じるからだ。
果たして、毒を吸って死んでしまうことになっても、私は健気な息吹を愛でたくなったのだろうか。
この手の平で包み込んで、冬の寒さから守ってやりたい……
そんな淡い衝動を抱えながら、今も私は、自分の死とそれを天秤にかけている。
早くしなければ、蕾はあっという間に枯れてしまうのに。





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